イタリアバックパックの旅
スパイス
![イタリアバックパックの旅](https://sugie-kensetsu.jp/wp-content/uploads/2018/08/italy6.jpg)
カフェスタイルの家 造り
??cafe style ??
カフェスタイルの家
2003年、夏、イタリアへ一人旅に出かけた。
目的も理由も曖昧な旅。リュック 一つを背中に、俗にいうバックパッカーというものである。
歩く街、歩く街が、歴史を感じさせる佇まいで、旅人を優しく、
時に驚きと共に迎えてくれる。
「 冷静と情熱のあいだ 」というフィレンツェを舞台にした映画の中でも、
「この街の住民は過去の中を生きている。」というセリフがあるように、
本当に中世で時が止まってしまったかのような、セピア色の街並み。
そのレトロな街並みも、日本で生まれ育った私には、凄く新しい世界のように思えた。
スマホ
当時、スマホはまだなく、日本はガラパゴス携帯が活躍していた。
今のように、解らないことがあれば、すぐに検索するようなことは出来なかったし、
ようやく低解像度のカメラ付きが出たくらいだった。
もちろん、旅の途中、一度もパソコンには触れていない。
それでも不便ではなかったし、特に調べようとも思わなかった。
現地で連絡をとる手段は、公衆電話とハガキ。
なんだか随分と昔の話のように感じる。
イタリアバックパックの旅
明日は何処へ行こうか? この街には何がある?歴史は? おいしいパスタのお店は?・・・
今思えば、よく旅ができたものだと感心してしまう。
というより、旅とは本来そういうものなのだろう。
地球の歩き方という、バックパッカーのバイブル本。
それと、宿で出会う旅人の情報。それらに、フィーリングというスパイス を加えて、
ブーツの形をしたイタリアを、毎日毎日歩き回った。
かかとがすり減っているのも気が付かないくらい、1分1秒ごとに、無我夢中だった。
![イタリアバックパックの旅](https://sugie-kensetsu.jp/wp-content/uploads/2018/08/italy11.jpg)
イタリアバックパックの旅
ある朝の風景
でこぼこの石畳が続く通り沿いには、肉屋や八百屋が立ち並ぶ。
これがまた、すごくおいしそうに見える。
夕方になると、バールやカフェ、そしてトラットリアが地元の住民達で賑わい始める。
どれもこじんまりとしていて、個人経営のお店のように見えた。
日本でいう所の、コンビニやチェーン店のレストランが少なかったように思う。
気が付かなかっただけかもしれないが、ほとんど見かけなかった。
そのせいもあってか、
行く街 行く街で、そこにしかないお店に出会い、
それぞれの街、独特の空気を感じることが出来た。
イタリアバックパックの旅
私は小さな個人経営のお店が好きだ。
個人のお店の良いところは、その街に行かなければ出会えない、個性を与えてくれるところだと思う。
個性が集まった街は、それだけでも、訪れる理由になる気がする。
![イタリアバックパックの旅](https://sugie-kensetsu.jp/wp-content/uploads/2018/08/italy7.jpg)
![イタリアの八百屋](https://sugie-kensetsu.jp/wp-content/uploads/2018/08/italy8.jpg)
![ローマのチョコレート屋さん](https://sugie-kensetsu.jp/wp-content/uploads/2018/08/italy4.jpg)
Bar
ある朝の風景。
バールでコーヒーを飲んでいると、
口髭をたくわえたダンディーな おやじ がやってきた。
いきなり「ボンジョルノ~!!」と入ってきては、
カウンターで一杯、 小さなエスプレッソを注文。
「いつもの!」みたいな雰囲気が、言葉は解らないが見て取れる。
そこで、ほんの少しの時間を楽しむと、すぐに、シャキッとした顔つきで店を出ていった。
おそらく仕事の前の一杯なんだろう? 常連臭の漂う朝の光景。 ほんの2、3分の出来事であった。
イタリアバックパックの旅
お店におはよう! と言いながら入ってくる様子に 、なんだか不思議な感じがしたのを覚えている。
私は、日本でスターバックスに入る時、おはよう! とは言わない。
でも、もし友人がやっているような身近なカフェだとしたら?
きっと無言では入って行かないだろう。
だからと言って、べちゃくちゃ喋るわけでもないけれど・・・
イタリア語のわからない私にも、なにげないその光景が、今でも心の片隅で眠っていて、
寄せては返す波の泡みたいに、ふとした時に流れ着いては、また消えていく・・・
たわいのない記憶が、心地よい思い出になっている。
そのカフェスタイルのせいなのか?
![](https://sugie-kensetsu.jp/wp-content/uploads/2018/08/51830ca9bc1c4738dea5234ca732258f.jpg)
![ローマのお店](https://sugie-kensetsu.jp/wp-content/uploads/2018/08/italy2.jpg)
![イタリアバックパックの旅](https://sugie-kensetsu.jp/wp-content/uploads/2018/08/italy9.jpg)
カフェスタイルの家
快適温度の情熱
その光景の後ろに広がる、お店の佇まい( デザイン )には、
そのお店づくりに携わった建築家であったり 、
デザイナーや、職人、店主、そして家族の、
その人達の情熱が、否が応でも込められていて、
それらを間接的に感じられるのが、その空間であり、
熱すぎるその情熱を、丁度良い温度にして私達に届けくれる背景となる。
色んな人の人生の背景に。
そんな空間が出来上がるまでには、きっと色んなドラマが隠れていることだろう。
そのドラマを背景にして、折り重なるように、毎日別の誰かのドラマが展開している。
そんな背景に重要なこと
この場所、なんだか居心地が良いなぁ。
誰が主張するわけでもなく、そう感じてもらえる空間。
そういう、居心地の良さを造り上げる要素の中で、一番重要なのは、やはり
関わる人達の想いなのではないだろうか?
良いデザインは、無言で語りかけてくる。
誰かの言葉でもあったように、 「考えるな ・・ 感じろ!」 まさにこれだろう。
この、感じるという部分にじんわりと語りかけてくる 、
そういうデザインと出会えた時、自然とその場所にいたいという気持ちが湧いてくるのだ。
そして、離れられなくなる。
落ちて着く ・・・・・ 落ち着く。
・・・ another cafe style ・・・
![イタリアのカフェ](https://sugie-kensetsu.jp/wp-content/uploads/2018/08/italy3.jpg)
![](https://sugie-kensetsu.jp/wp-content/uploads/2018/08/51830ca9bc1c4738dea5234ca732258f.jpg)
毎日の背景をお洒落に
いつからか、cafeみたいな家に住みたいと思うようになった。
毎日の背景をお洒落に。
日本の家も、そのお店の持つデザイン性を、もっと取り入れても 良いのでは?
葉っぱの隙間を通り抜ける柔らかい風を感じながら
1杯のコーヒーを堪能できる部屋だったり、
街と自然の奏でる音をBGMに、
時間を忘れて、遊びや趣味に没頭できる 部屋だったり、
週末には、心許せる人たちとの食事やおしゃべりを味わえる、リビングだったり、
極上の充実した眠りを提供してくれる、寝室だったり。
人それぞれの カフェスタイル 。
その家々で彩られた街並みの中を、旅人達がまた歩く。
ただ、ただ歩いていく。
そんな背景の中に佇むひとつの【家】 を、これからもつくり続けて行きたい。
あなたの カフェスタイル を聞かせてください?
【 another cafe style 】
![イタリアのカフェスタイル](https://sugie-kensetsu.jp/wp-content/uploads/2018/08/italy14.jpg)