イルマーレ

イルマーレ 原題 「時越愛」

2000年の韓国映画

監督 イ・ヒョンス

主演 イ・ジョンジェ  チョン・ジヒョン

これ18年も前だったんだ・・・

 

Filmarks での評価 3.7 (満点5)

 

個人的には 4.5点。

 

 

 

 

 

 

 

 

この映画に無くてはならないこのポスト。

海の中に ぽつりと建つ家。

家までの長いスロープ。

海辺へ降りる階段。

思わずこの家借りたいなと思ってしまうようなデザインが散りばめられていて、それらがより ストーリーを引き立てる役目を果たしている。

危うく主役になりそうなくらいの、脇役として・・・

とてもきれいな映画です。

 

 

表札の替わりなのか?

角材を斜めに切ったものを2本並べて、その木口に塗装でIL MARE。

この角材は無造作にボンと置かれただけだけど、なんともかっこいい。

その表札の周りに 高さの違う灯りをランダムに配置してシンプルだけど外構を演出している。

砂利道に、教会の彫刻を彷彿させるデザインのポストをたてて、

角材の表札を置いて、何本か灯りを灯すという、無駄のない外構。

 

 

そこから家へと続く長いアプローチ。鉄骨かな?の骨組みに。コンクリートのような石板のようなものを敷いたアプローチ。

満潮の時は海の中にぽつりと浮かぶように設計されている。手摺も何もない、危険なアプローチだけども、時に危険を冒さなければいい出会いなどには巡り合えないんだよっと言われているような、そんなデザイン。

あの家の中はどんなふうになっているんだろう?

このアプローチがその期待を膨らませるにはちょうどいい長さにできているんだろうなと、想像の中で歩いてみる。

 

 

 

 

 

 

中はこんな感じ。

窓から差し込む海からの光も、デザインの一部になっていて、

スリットを通ってきた光が 影をつくり、柔らかい光へと姿を変えて、家の奥まで届いている。

もちろん、照明で演出しているのだろうけど、それにしても気持ちよさそうな空間だな。  

ますます住みたくなるような。

 

雨風から守るために、まず壁で覆って、

そこに必要な風、光を取り入れるために開口部をつける。

外の景色には馴染むようにデザインして、中の暮らしには遮ったり取り入れたりの選択をする。

外から見るとぽつりと建つ人工物の一つにすぎないけれど、

一歩中に入るとそこには自然が広がる。

 

 

 

 

 

縦長の窓をアクセントにして、

壁には造り付の棚を。

収納というよりは、飾り棚のようですが、何も物がないのになんだか置いてあるような落ち着きを感じてしまう棚。

花や写真をついつい飾りたくなる棚。

 

 

 

 

 

 

バスタブとはカーテンで仕切られている、日本ではあまりお馴染ではないタイプ。

壁面が濃い色の木の合板というところが建築家心をくすぐる仕上げに。水廻りでこの素材であえて勝負するチャレンジ精神を感じさせる壁。

 

アプローチで危険を冒し、光で癒され、一息つこうとしたのもつかの間、アグレッシブな壁に 絶えず挑戦することを忘れるなと言われている。 

イルマーレ ・・・海のように深い意味の込められたデザインを随所に感じる。

 

 

 

 

 

折半屋根のような大きな山の外壁。おそらくガルバだと思われる。 大き目の山にすることで外観に無骨さがプラスされている。表側は白い石貼りのような外壁なので、裏側とは違うデザインになっていて、人間の持つ、表の顔と裏の顔を表現しているように見える。

海辺の家のシーンは薄曇りのような決して明るいとは言えないシーンが多いのだが、それがこのスタイリッシュな現代風の建物を幻想的にさせていて、この場所なら、時間が歪んでもおかしくないなという気にさせてくれる。

 

 

 

 

 

干潮の時に現れる干潟へと下りる階段。

下りたいという衝動に駆られる。上りたいよりも下りたい。

幸せの階段を上るとか、夢へ向かってステップアップとか、

とりあえず今よりいい場所は上にあるんじゃないかという一般的な感覚だけど、もしかしたら下にもあるのかも。時には階段を下りた場所に目指していた場所があるのかもしれないと思うと、選択肢も増えてより迷うのだけれども、同時に楽しさも増えるような気がする。

 

 

 

 

愛する人のために設計したイルマーレとは違う家。

やっぱりポストが描かれている。ちょっと大きすぎるくらいに描かれているということは、

この家もまた時間を歪ませる家なのかもしれない。それか、願望か?

 

  

     

 

 

ちなみに、イタリア語の IL Mare   意味は 海 。 

海の上の建物のまわりでおこる物語。

 

イルマーレのように、物語を はぐくめるような家をつくれたら、

つくり手として、そんなに幸せなことはないだろう。

一つ一つの家のまわりで、それぞれの物語が展開していく。

良いことばかりではないけど、悪いことばかりでもない。

日常の階段は上りっぱなし、下りっぱなしということはないのだから・・・・

 

家をつくる、様々な要素が愛おしく思える作品でした。

イルマーレという建物なくして 映画イルマーレは成り立たない。 私の中の名作です。

 

 

 

 

 

 

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