昭和レトロな八百屋
昭和の記憶がそっと息を吹き返す、八百屋さんの物語 nostalgic
静岡・清水に佇む「園田商店」様
50年以上地域に寄り添い続けてきたこの八百屋さんは、ただ野菜を並べているだけではありません。
店内に一歩足を踏み入れた瞬間、漂う昭和レトロな雰囲気。
レトロな箪笥や掛け軸、どこか懐かしい空気が漂う店内は、まるで昭和の時間が止まっているかのような、ノスタルジックな空間です


火鉢に集う、あたたかな「火鉢端会議」
冬のある日、店内には切り株の椅子が並び、ぽかぽかと温まる火鉢の前に人が腰かけます。野菜を買いに来たお客さん同士が、自然に火鉢を囲んでおしゃべりする風景。それは、まるで「井戸端会議」のよう。ここでは、井戸ではなくて火鉢なので「火鉢端会議」とでも呼びましょうか?あたたかいつながりのある場所です。
“買う”以上の体験—食事と交流のスペース
さらに、ここでは珍しい食事スペースも設けられています。野菜を選び、自家製のお惣菜をその場で味わいながら、しばしの休息と会話を楽しむ。スーパーの買い物の流れとは違い、ここでは立ち止まり、五感を使って“味わい”、心を満たす体験ができます。棚の木目や家具のぬくもり、懐かしい灯が、まるで昭和の街角に戻ったような感覚に、どこか心にしみ入る居心地の良さを提供してくれます。


野菜と並ぶ“家庭の味”
色とりどりの新鮮な野菜の香りに混じって伝わってくるのは、店主さんが心を込めて作る自家製のお惣菜の匂い。どこかほっとする家庭の味。それは、訪れる人々の記憶の奥底にしみるように広がります。お惣菜が並ぶ光景は、まるで家族の食卓をのぞいているかのようで、ここは単なる買い物の場を超え、日常のよりどころとなっています。



8寸角の角材をまるまる5本使ったダイナミックな台。
野菜たちとの相性抜群の台。

お店とは、人が集い、語らい、日常を積み重ねるための「舞台装置」です。昭和レトロな八百屋の空間もまた、単に野菜を並べる器ではなく、人と人をつなぎ、温もりを育む居場所としての役割を果たしているのですね。火鉢や木の家具に宿る質感、そこに生まれる会話や笑顔が、お店を生きたものに変えていく。大手スーパーとは一味違った、人と空間が溶け合うような温かな雰囲気の八百屋さん。こんな風景が、これからも地域の中で大切に受け継がれていきますように。
昭和レトロな八百屋