アプローチ階段
静岡 工務店 外構工事



アプローチ階段
かなり高低差のある、難しい敷地条件のアプローチでしたが、
その制約を逆に生かし、末広がりに絶妙なカーブを描くコンクリートの階段を設計。
歩くたびに少しずつ視界が開けていくような動きが生まれ、
訪れる人をやさしく迎え入れる表情豊かな仕上がりとなりました。
土留めには、小ぶりながら重厚感のあるピンコロ石を丁寧に敷並べ、
さらにごろた石を段々に配置することで、硬さの中にも自然な柔らかさを演出。
石と石の隙間や高低差には、なだらかな水の流れを思わせるリズムが生まれ、
雨の日には水が静かに伝い落ちる、景観としても心地よいアプローチになっています。
グランドカバーにはセダムとグレコマを選び、施工後から数年かけてしっかりと根を張らせました。
地表を覆う緑は見た目のやわらかさを添えるだけでなく、
土留めとしての機能も果たし、時間とともにより安定感のある構造へと成長しています。
階段の脇にはローズマリーやサントリナなどのハーブを植栽。
風が通るたび、あるいはすれ違う一瞬にふわりと香りが漂い、
訪れる人の五感をさりげなくくすぐる、爽やかで心地よいアプローチ空間が完成しました。
そして、入口を彩る品種の異なる2本のオリーブの木は、
毎年小さくも愛らしい実をつけ、四季を通して変化を楽しませてくれます。
成長の過程を見守る喜びと、季節ごとの景色の移ろいが重なり、
このアプローチは年月とともに、ますます味わいを深めています。
