It’s a cafe style 

 

スパイス

今から15年くらい前のこと、 イタリアへ一人旅に行った。  リュック一つを背中に、   俗にいうバックパッカーというものだ。

歩く街、歩く街が歴史を感じさせる佇まいで、旅人を優しく、時に驚きをもって迎えてくれる。

そのレトロな街並みも、日本で生まれ育った私には、凄く新しい世界のように思えた。

今のようなスマホもまだなく、日本はガラパゴス携帯が活躍していて、インターネットで検索なんてことも頻繁にやるような時代ではなかったし、ようやくカメラ付きが出たくらいだった。

もちろん、旅先でも一度もパソコンには触れていない、それでも不便ではなかったし特に調べようとも思わなかった。

現地で連絡をとる手段は公衆電話くらいだ。

 

明日は何処へ行こうか? この街には何がある?歴史は?  おいしいパスタのお店は?・・・

今思えば よく旅ができたものだと思う。

というよりは 旅とは本来 そういうものなのだろう。

 

地球の歩き方という バックパッカーのバイブルである本と 宿で出会う旅人の情報、それらに、フィーリングというスパイスを加えて、

ブーツの形をしたイタリアを毎日毎日歩き回った。

 

 

 

 

ある朝の風景

でこぼこの石畳が続く通り沿いには、肉屋や八百屋、これがまたすごくおいしそうで・・・さらにタバコ屋、

夕方になると地元の住民で賑わう、バールやカフェ、トラットリア等 こじんまりとしたお店が建ち並び、日本でいう所のコンビニやチェーンのレストランが少なかったように思う。

気付かなかっただけかもしれないが、ほとんど見かけなかった。

そのせいもあってか、行く街 行く街で そこにしかないお店に出会い それぞれの街、独特の空気を感じることが出来た。

 

私は小さな個人経営のお店が好きだ。

 

個人のお店の良いところは、その街に個性を与えてくれるところだと思う。

 

朝 バールで コーヒーを飲んでいると、口髭をたくわえたダンディーなおじさんが 「ボンジョルノ~!!」と入ってきては、

カウンターで一杯 小さなエスプレッソ。

「いつもの」  みたいな雰囲気で、ほんの少しの時間を楽しむと、 シャキッとした顔つきで 出ていった。

おそらく仕事の前の一杯なんだろう? 常連臭の漂う朝の光景。  ほんの2~3分の出来事。

お店に おはよう! と言いながら入ってくる様子に なんだか不思議な感じがしたのを覚えている。

 

 

私は日本で スターバックスに入る時、おはよう!とは言わない。

でも もし 友人がやっているような身近なカフェなら きっと 無言では 入って行かないだろう。

 

 

だからと言って べちゃくちゃ 喋るわけでもなく・・・

 

 

イタリア語のわからない私にも なんだか安心感を与えてくれたその光景が 今でも心の片隅で眠っていて、

寄せては返す波のように ふとした時に流れ着いては、また消えていく・・・

たわいのない記憶が 心地よい思い出になっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

快適温度の情熱

 

その光景の背景になる、お店の佇まい(デザイン)には そのお店づくりに携わった 建築家であったり デザイナー、職人、もちろん店主、そして家族、

その人達の情熱が 否が応でも込められていて それらを間接的に感じられるのが、その空間であり、

熱すぎるその情熱を丁度良い温度にして私達に届けてくれる、そんな空間に仕上がった時、

ここ、なんだか居心地が良いなぁ、と感じてもらえる空間になるのだと思う。 誰が主張するわけでもなく、感じるのだと思う。

 

居心地の良さを造り上げる要素の中で 一番重要なのは、やはり

関わる人たちの 想い なのではないだろうか?  良いデザインは 無言で語りかけてくる。

誰かの言葉でもあったように  考えるな・・感じろ!  まさにこれだろう。

この感じるという部分に じんわりと語りかけてくるデザインと出会えた時の あの高揚感は格別である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・  it’s a cafe style  ・・・・

 

 

 

 

 

 

思い思いのカフェスタイル

 

いつからか cafeみたいな家に 住みたいと思うようになった。

嫌、cafe に住みたいのかも知れない。

 

お店だけではなく、家にもそのデザインをもっと取り入れても良いのではないだろうか?

葉っぱの隙間を通り抜ける柔らかい風を感じながら

一杯のコーヒーを堪能できる部屋だったり、

街と自然が奏でる音をBGMに、時間を忘れて、遊びや、趣味に没頭できる部屋だったり、

週末には、心許せる人たちとの食事やおしゃべりを味わえるリビングだったり、

そして また 明日に向かっての極上の眠りを提供してくれる寝室だったり。

 

 

 

人それぞれ 思い思いの  cafe style の家。

その家々で彩られた街並みの中を  旅人達が きっと色々なことを感じながら 歩くだろう。

 

そんな風景を織りなす一つの 家 を、これからもつくり続けていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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