断熱リノベ 静岡工務店
住み継いでいくこと
住宅性能向上リノベーション
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リノベーションという選択
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リノベーション工事にはさまざまな種類があります。
どこまで手を加えるかによって、工事費は大きく変わってきます。
たとえば、水まわり設備の交換、床や壁の張り替え、外壁や屋根の補修、断熱性能の向上など、その内容は多岐にわたります。
すべてを一新しようとすると、1,000万円〜2,000万円を超えることも珍しくありません。
それでも、必要な部分だけをリノベーションし、今の家に住み続けていくという選択は、これからの時代にふさわしい家づくりのかたちではないでしょうか。
「新築だけがすべてではない」。
住まいの性能を見直し、暮らしやすさを高めていく――
それが「リノベーションという家づくり」です。
日本の住宅の平均寿命はおよそ30年。
欧米諸国と比べて、驚くほど短命だと言われています。
この課題に向き合うためにも、家の価値を高め、長く住み継いでいくリノベーションが、もっと自然な選択肢になればと願っています。
そんな想いを込めて、私たちは一棟一棟、丁寧にリノベーション工事に取り組んでいます。
築40年の昭和の建築をリノベーション
Before

After

もともとは、ダイニングキッチンと和室のリビングに分かれていた、昭和の間取り。
間仕切り壁を取り払うことで、約20畳の広々としたLDKへと生まれ変わりました。
天井・壁・床には、新たに断熱材を隙間なくしっかりと充填。
さらに、窓には内窓(インプラス)を設置し、断熱性能を大幅に向上させています。
リノベーション前は、冬になると家の中でもジャンパーが手放せなかった住環境。
今ではトレーナー1枚で快適に過ごせるほど、温熱環境が劇的に改善されました。
サーモカメラで見る リノベーション後の部屋はこちら
床を剝がした所、断熱材は入っていませんでした。昭和の家では珍しくない光景です。

既存の根太はしっかりとした立派な材が使われており、腐食もなく、とても良好な状態でした。
そのため今回は、この根太を活かしつつ、その上に45mm角の新しい根太を組み、スチロール系の断熱材を充填して断熱層を形成する方法を採用しました。

壁には、高性能グラスウールを隙間なく、しっかりと充填していきます。
ほかにも、セルロースファイバーやウッドファイバーといった自然由来の断熱材も選択肢のひとつです。コストは少し上がりますが、性能や環境への配慮の面からも、検討してみる価値のある断熱材だと思います。

ふわっふわの天井断熱材 ↓

間仕切り柱を活かした、ゼブラウッドのダイニングテーブル
空間の中心には、ゼブラウッドのダイニングテーブルを造り付けました。
かつて和室とダイニングを仕切っていた間仕切り壁を撤去した際に現れた柱。これを撤去するのではなく、テーブルを支える脚として再利用することで、空間に新たな意味を持たせました。
この「柱をどう活かすか」が、今回のリノベーションのキーポイントです。

ダイニングを空間の中央に配置することで、キッチンとリビングのバランスが整い、それぞれに程よい広さが生まれました。さらに、中央のダイニングが2つの空間を緩やかにつなぐことで、実際の畳数以上に広く感じられる開放感を生み出しています。
間取りを、時代や暮らしに合わせて変化させていく。
これこそが、リノベーションの醍醐味ではないでしょうか。
ゼブラウッドとの出会い
このダイニングテーブルの天板には、ゼブラウッドを使用しました。
今から15年前、市場でその木目に一目惚れして購入した木材。いつか使える日が来ることを願い、板材に加工して倉庫でじっと眠らせていたものです。
大胆で美しい木目と、落ち着いた茶色のコントラストが魅力の、アフリカ産の貴重な木材。自然が生み出した独特の表情をもつこの材は、その希少性ゆえに使いどころを慎重に見極めていましたが、今回ようやく、その居場所を見つけることができました。

もともとは、和室とダイニングを仕切っていた間仕切り壁
その壁を撤去すると出てきたのが下の写真の柱たちです。
そこで、この柱を撤去することなく、間取りの真ん中にダイニングテーブルの脚として再び活躍してもらえないか?と考えました。


そこで、この間仕切り柱を脚に、ゼブラウッドの天板を乗せた造り付けテーブルにすることに。
非常に難易度の高いデザインでしたが、美しく納まり、空間に深みと物語を添えています。

今から50年後、このテーブルがどんな風合いに育っているのか――
そんな想像をしたくなる、ドラマチックなダイニングテーブルです。

断熱リフォーム・リノベーション・sugiekensetsu
ダイニングとリビングをつなぐ、モールテックスのベンチ
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ダイニングとリビングの間には、モールテックス仕上げの造作ベンチを設けました。
ダイニング側からは椅子として、リビング側からは低めの腰掛けとして使える、1台で2役の便利なベンチです。

サイズは長さ2,200mm、奥行500mmのゆったり設計。
見た目はコンクリートのような無機質な表情を持ちながら、手ざわりはしっとりと滑らか。独特の質感が、空間に静かな存在感を与えてくれます。
モールテックスは防水性や柔軟性にも優れ、家具や壁面など、さまざまな用途に対応できるのも魅力。
ひとつとして同じ表情がない仕上がりが、空間に個性を添えています。

gray gradation
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床は ドナウ川近辺で採れたオーク無垢の乱尺物。
TVは壁かけ式に、右下には、デッキを置く為の小さな家具 USMハラ―。
シンプルなデザインの中に、伝統を感じる家具、USMハラ―。小さいけど大物です。
壁はサイデイング壁 Solid。
コーヒー豆が練り込まれて造られているという、コンセプトが面白い壁材です。
カーテンブラインドは Hunter Douglas の シルエット。
布製のブラインドで、光の漏れ具合が障子と似ていて、グレイのグラデーション空間に優しい雰囲気をプラスしてくれます。
羽のS字のフォルムが綺麗なブラインド。

リビングの一角には本棚を。下段は前後2列で置けるように少し段差を造りました。
Before (キッチン側から見たリビング)

断熱リフォーム リノベーション
After (キッチン側から見たリビング)
クリナップ CENTRO

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クリナップのステンレスキッチン「セントロ」。
ステンレスキッチンといえばクリナップの名が真っ先に挙がりますが、
その中でも「セントロ」はまさにステンレスキッチン界のキングです。

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空間を彩る、グレイマテリアルのグラデーション
断熱リノベ 静岡工務店
空間全体を包むのは、さまざまな“グレイ”のマテリアルたち。
床材、壁、キッチン、モールテックス、そしてタイル。
それぞれ異なるトーンのグレイが重なり合い、奥行きと表情のある空間をつくり出しています。
タイルには、重厚感のある〈Hirata Tile〉の「Subway」を採用。
無機質でありながらどこか温かみのある質感が、空間に深みを加えています。
そして、こうしたグレイの重なりが生み出す“gray gradation”。
色と質感のグラデーションに囲まれて過ごす、落ち着きのある住まいです。
ディテールにもこだわりを。
コンセントには〈JIMBO〉を採用。ピン角のシャープなフォルムが、空間のアクセントとしてさりげなく効いています。

Panasonic アドバンス
Panasonicの中でも、角ばった物でまとめました。

埋め込みタイプの食器棚

黒くて四角い取っ手を取り付け。

出っ張らない食器棚で空間も気分もスッキリ。
右の入口は、ランドリーへの裏道です。
断熱リフォーム rinovation 杉江建設 次の世代へ
黒ガラスの 引き戸

黒ガラス越しに感じる気配 ― YKK ファミット
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YKKの〈ファミット〉は、アルミの細いフレームが印象的な室内建具。
スタイリッシュでありながら、空間にやわらかな仕切りを生み出します。
黒いガラス越しに、うっすらと見えるキッチンルーム。
完全に遮らず、適度に視線をさえぎることで、お互いの気配を感じつつもプライベートを確保。
抜け感とこもり感の、ちょうどいいバランスを実現しています。
トクラス ユニットバス every

統一感あるカラーと、快適性を高める工夫
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ユニットバスも、黒とグレイを基調としたカラーでコーディネート。
室内全体のトーンと調和させることで、家全体に一体感が生まれています。
さらに、浴室にも〈インプラス〉を設置し、断熱性能を向上。
冬場の冷気をやわらげ、より快適なバスタイムを実現しています。
造り付洗面台

サンワカンパニーの置き型手洗いシンクとアクセント壁
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サンワカンパニーの置き型手洗いシンクと水栓、鏡を設置。
水栓はブラックを選び、シンプルながらも引き締まった印象に仕上げました。
正面の壁は、床と同じフロアタイルを立ち上げてアクセントウォールに。
床と同柄ながら、一段明るい色味を使うことで、キッチンからランドリーへと続く空間が自然なグラデーションのようにつながっています。
Before

ビフォーの状態も、黒いタイルで落ち着いた雰囲気がありましたが、男子便器が不要だったことと、タイル床のため寒さが気になることから、この部屋も断熱改修が必要と判断しました。
After
トイレはINAXの「サティス」を採用。
床にはグレイのフロアタイルを敷き、腰壁も同じタイルで立ち上げています。
クロスとの境目にはチョコレート色のグレイタイルをぐるりと廻し、レトロで温かみのある雰囲気を演出しました。

tile: 紬 つむぎ

勝手に「チョコレート柄」と呼んでいるこのタイルは、どんな雰囲気の空間にもマッチし、お洒落な空間づくりに欠かせない万能なタイルです。
断熱リフォーム リノベーション
Gray gradation sugiekensetsu
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こうして築40年の昭和の建築は、新たな命を吹き込まれ、次の世代へと住み継がれていく家へと生まれ変わりました。
平成の時代を見守り、令和の今、断熱改修というかたちで新たな価値をまといながら。
過去と未来が重なり合い、時代を繋ぐグラデーションのように。
この住まいは、これからも家族の歴史とともに、静かに、しかし確かに歩み続けていくのです。
未来へと続く温かな時間の中で、何世代にもわたり愛される、そんな存在であり続けるでしょう。